鹿児島市で今年１月、当時５３歳の長男を殺害したとして殺人の罪に問われている男の裁判員裁判が１４日、鹿児島地方裁判所で開かれました。男は殺意を否定し、身を守るための行為だったと主張しました。 殺人の罪に問われているのは、鹿児島市田上台の無職・佐藤勉被告（７７）です。起訴状などによりますと、佐藤被告は今年１月、自宅の玄関先と路上で、同居する長男・昭臣さん（当時５３）の腹や背中を、刃渡り４５センチの日本刀の脇差で、４０回以上切りつけたり刺したりするなどして殺害したとされています。 １４日、鹿児島地裁で開かれた裁判員裁判の初公判で、佐藤被告は「殺す気はありませんでした」と殺意を否定しました。 冒頭陳述で、検察は「長男が母親に暴言を吐いたのがきっかけとなった犯行。無防備な長男を何度も突き刺すなど、強固な殺意に基づいていた」と指摘。 一方で弁護側は「長男には精神障害があり、攻撃性が高まっていた。事件当日、被告は長男に押し倒されそうになり、殺されると思ってとっさに日本刀を振った」と主張。佐藤被告に殺意は無く、身を守るための行為だったとし、刑を軽くするよう求めました。 判決は今月１７日に言い渡されます。
